旅行にトラブルはつきものだ
京大の入試問題から、思い出した一節
遠い太鼓〜アルプスのトラブル
旅行にトラブルはつきものである。考えてみればろくに事情もわからず、知り合いもいず、言葉も満足通じない見知らずの土地をうろうろ移動しているのだから、トラブルがない方がおかしい。それが嫌なら旅行なんかいかずに家でじっとして貸しビデオでも見ていればいいのだ----これは理屈である。理屈であり正論である。でも実際に自分の身にトラブルが起こってみると、そう簡単には開き直れないものである。理屈とか正論というのはあっという間にどこかに飛び去って、遠い背後の風景と化してしまう、そんなものはもうなんの役にもたたない。あとは不条理な現実に驚かされ、不確実な未来に直面している傷つきやすい自我がただぽつんと残されているのみである。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1993/04/05
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京大の入試問題
楽しいはずの海外旅行にもトラブルはつきものだ。たとえば、 悪天候や自然災害によって飛行機が欠航し、海外での滞在を延ばさなければならないことはさほど珍しいことではない。いかなる場合でも重要なのは、冷静に状況を判断し、当該地域についての知識や情報、さらに外国語運用能力を駆使しながら、目の前の問題を解決しようとする態度である。
海外での滞在を延ばさなければならなくなったことはこれまで体験ないのだけど、想定外の出来事はたくさんある。準備不足だといわれればそうかもしれない。しかし、すべてを予想できる旅は、スケジュールをこなすだけの、作業になってしまう気がする。
ただ、トラブルが発生すると、その時点で、冷静でいられるかというとそんなことは無い。
しかし、それでも、また、ふらっと旅にでる。