シャープは、電子書籍フォーマット「XMDF」形式の電子コンテンツが制作できるソフトウェア「XMDFビルダー」の新バージョンを出版社や電子書籍制作会社向けに、今年7月より無償提供いたします。コンテンツの電子化コストを低減し、電子コンテンツの普及拡大に努めてまいります。
無償ツールで変換できることでXMDFのフォーマットによるコンテンツが増えればよいなあとは思ったのですが、XMDFを使うためには、守秘義務を伴う契約が必要で、ライセンス料も発生するとのこと。
出版業界は未来永劫シャープにライセンス料を払わなければならない。そもそも国内標準なんか必要ないのである。
しかし
「次世代XMDF制作ソフトウエアの 正式リリースと無償化について」
http://www.xmdf.jp/document/XMDF_Authoring_Tool.pdf
というドキュメントにはライセンスの話は出てこないです。
XMDF記述フォーマットはオープンだというがどこから入手?
とか
国際標準規格取得済
とか、誰でも使えそうなかんじがする。
別の記事を検索してみた
XMDFの場合は、現在のように電子書籍がもてはやされるずっと以前(10年前)から開発していたので、オープンな領域もビジネスの領域もシャープが開発していただけに過ぎない。
XMDFの記述フォーマットは国際標準規格としてオープンになっているので、このフォーマットを作成するオーサリングツールや、このフォーマットを用いた電子書籍ビューアを、他社が開発し独自にビジネスをされても問題はない。国際標準規格とは、そもそもそういう位置付けのものである。
現在、XMDFの開発着手から10年が経ち、国内の文字物電子書籍はボイジャーの.bookとXMDFがデファクトになっているが、両社とも、それぞれが出版社などの意見をくみ取り進化させてきた。すなわち、この両規格に日本の出版文化が詰まっていることになる。
こうなるとePubや、PDFとかわらない。
↓のような関係になるらしい、なので、ライセンス料が発生するのはシャープXMDF配信フォーマットとして、配信する場合と思われますが、ライセンス料ではなくて、AppStore等と同様の販売手数料になるのかもしれません。
だとすれば、日本語が得意そうなこのフォーマットがはやるのは歓迎です。
そして、課題は、ガラパゴスじゃないところでも配信してほしいわけで、
Amazon KindleがiPhone,iPadでもAndroidでも読めるように、XMDFもiPhone,iPadでもAndroidでも読めるようなビューアの提供は必須でしょう。
このようなビューアは、Kindleや、iBookのように、これまでの例だと、マーケットプレイス運営者から提供されているので「TSUTAYA GALAPAGOS」から、でるのかなあと思いつつ。「GALAPAGOS」って名称がある以上、「GALAPAGOS」外には出す気がないのか?
だとすると、本当に。「ガラパゴズ」になっちゃう
おっと、そのために、わざわざ「GALAPAGOS」にしたのでしたっけ?
標準化された出版フォーマットならば
- 誰でも作れる
- どこでも読める
という最低限の要件がないと普及は難しい。
ePubとの比較で
両者の狙いについて
EPUBと中間フォーマットでは、そもそも性質が違う、もたらされるものも違っている。それを僕は以下のようなパースペクティブで解釈しています。
中間フォーマットは出版業界の内部ワークフローを変革するもの
EPUBはすべての人にとって出版という行為のあり方を変革するもの
という指摘もされていますが、こういうことなんでしょうね。
業界側のフォーマットとして、領域を狭めることで、どんどんクローズになって、気がつくと、ePubに包囲されてたということになりそうです。
現在XMDFのePubに対する優位性は、縦書きとか日本語に由来する部分のみとすれば、XMDF陣営が、ePubの日本語対応を妨害するようなことにならないよう、願うばかりです。
まあ、妨害してもささやかな抵抗になりそうだけど。